「戦国武将織田信長の不器用な恋」第二章 武田信玄に抱かれたのか③

朝、マミは信長にぎゅっと抱きしめられて目が覚めた。
えっ、信長様?
ゆっくりと昨夜のことが脳裏に浮かんできた。
そうだ、私、信長様に抱かれたんだ。
どうしよう、気持ち良すぎて乱れてしまった。
戦国時代の武将と身体を重ねてしまった。
だって、織田信長の歴史の中に私はいないんだもん。
夢かな。
自分の頬をつねってみる。
痛い。
夢じゃない。
マミは信長の腕から抜け出し慌てて逃げ出した。
天守閣を出て自分の部屋に戻ろうとした時、後ろから声をかけられた。
「マミ、こんなに早くどうしたのだ」
恐る恐る振り向くと、そこには秀吉が立っていた。
「おい、その格好はどうしたのだ」
えっ?
秀吉に言われて、マミは自分の姿をまじまじと見た。

着物ははだけて、髪はグシャグチャで、明らかに情事の後を物語っていた。
「あの、これは……」
マミは慌てて自分の部屋に駆け込み、襖を閉めた。
「マミ、大丈夫なのか」
「大丈夫です」
秀吉はマミが天守閣の方から走ってきた状況で、朝まで信長と一緒だったと推測した。
そのすぐ後に秀吉は信長に呼ばれた。
「お館様、どうされたのでしょうか」
「マミは今、どこにおる」
「マミでしたら、自分の部屋におりますが……」
「そうか、それならよい、これから先、マミは外出禁止だ」
「かしこまりました」
秀吉は事情を把握した。
お館様の性格、無理矢理マミを連れ戻し、抱いたのだろう。
そして、独占欲をあらわに、外出禁止を命じた。
マミの合意の元かどうかが気になると秀吉は考えていた。

LOVE KAZU

ラヴ KAZU ベリーズカフェ・魔法のiらんど・アルファポリス・エブリスタにて小説を投稿 2020/11/1文芸社様より「夜の帝王の一途な愛」書籍発売デビュー 2021/5/28デザインエッグ社様より「ETERNAL LOVE 運命の出会い」書籍発売 2022/7/29幻冬舎ルネッサンス様より「落花流水のように」電子書籍発売 2023/11/1文芸社様より「エリート極道の独占欲」書籍発売

0コメント

  • 1000 / 1000